大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)2386 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人B弁護人上原角三郎上告趣意について。

所論は、結局刑の量定甚だしく不当であるというのであるから、上告適法の理由

として採ることができない。

被告人C、同D、同A弁護人高野純二郎上告趣意第一点について。

被告人Aに対し、第一審判決は所論のごとく、同人を少年と認め四年以上六年以

下の懲役及び罰金五百円(金二〇円を一日に換算して労役場留置を言渡し、原審判

決は成年として懲役三年及び罰金千円(換算率前同様)を言渡したことは記録上明

白である。されば、懲役三年及び罰金千円を言渡した原判決の宣告刑は、第一審判

決の宣告刑に比べると、罰金において金五百円だけ多いのであるが、懲役において

一年ないし三年軽いのである。

そして旧刑訴四〇三条にいわゆる「原判決の刑より重き刑」(旧刑訴五三七条参

照)であるか否かは、具体的に言渡された控訴判決の宣告刑の全体と第一審判決の

宣告刑の全体を総体的に比較して決すべきで、その宣告刑に包含される数個の刑を

個別的に比較して部分的に重きか否かを判断すべきでないこと勿論である。そして、

第一審の宣告刑と第二審のそれとを総体的に比照すれば原審の宣告刑は到底第一審

のそれより重いと認めることはできない。所論は、それ故採るを得ない。

同第二点について。

しかし、原判決は、被告人Aの判示所為に対し所論罰金等臨時措置法第三条の外

刑法第六条をも適用しているから、軽い行為時法である刑法二五六条二項所定の罰

金刑によつたものであること明白である。されば、原判決には、所論の違法はなく、

論旨は、採ることができない。

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職権を以て調査すると被告人C。同D、同Aの弁護人高野純二郎の上告趣意書並

びに被告人C及び同Dの各上告申立書には被告人C、同Dに関する上告理由は何等

記載されていない。従つて同被告人両名は法定の期間内に適法な上告趣意書を差出

さないものといわざるを得ない。

よつて被告人B及びAに対しては旧刑訴四四六条に従い判決をもつて、また、同

C及び同Dに対しては同四二七条に従い決定をもつてそれぞれ主文のとおり評決す

る。

この裁判は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二五年一月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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