大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)2787 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人上告趣意について。

論旨は被告人は判示硫安を一俵も現実には受渡しをしなかつたので、いわば取引

は未遂に終つたのであるから、物価統制令違反に問われる筈はないというのである。

なるほど原判決はその挙示する証拠に照し、被告人が第一審相被告人Aに判示硫安

を統制価格を超過する判示金額で売渡し契約をなしその代金を受領した趣旨を認定

判示しているのみであつて判示硫安の現品を引渡したことについては認定判示して

いないことを窺知することができる。しかし物価統制令はその三条において「……

価格等ハ其ノ統制額ヲ超エテ之ヲ契約シ、支払ヒ又ハ受領スルコトヲ得ズー…」と

規定しその三二条において「三条ノ規定ニ違反シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ一〇

万円以下ノ罰金ニ処スル」旨を規定しているのであるから、所論のように被告人は

判示硫安を現実に引渡さなかつたからといつて、同令三条にいわゆる統制価格を超

えて之を契約し受領した事実が認められる以上同条の違反罪は成立するものであつ

て、物の引渡をまつて成立するものでないから原審が被告人を同令三三条に問擬し

たのを違法ということはできない。所論は同令三条の解釈を誤つたことにいでたも

のであつて、とるをえない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 竹原精太郎関与

昭和二五年三月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

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裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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