大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)286 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意並びに上申書について。

証拠の採否、事実の認定、刑の量定等については、現在の法制の下では、専ら事

実審の裁判所に委されていて、法律違反のある場合の外上告裁判所では取り扱うこ

とはできない。そして、原判決の採用した証拠によれば、本件で問題となつている

各犯罪事実は、すべて原判決の認めたように認定することができる。従つて、原判

決の判示第二事実を原判決の認めたように詐欺と認めたからと言つて法律上違法で、

間違つているとはいえない。また、横領として起訴された事実を、裁判所が詐欺と

認定しても、日時、場所、被害者金額等同一であつて審判上同一事実と見られる限

り差支えのないものであるから、判示第二事実に対する論旨は、採用することがで

きない。次に、共有物でも共有者の同意を得ないで、一方的に持出せば刑法二三五

条の窃盗となるものであるから、判示第三事実に対する論点も採ることができない。

また、判示第四事実も原判決の挙げている証拠によれば原判決のように認めること

もできる。そして、法条の適用も原判決の通りで正しく間違はない。その他原判決

の判示第五の強盗傷人の事実並びに同第六の刑法二三五条の窃盗共謀の事実も前同

様原判決の採用している証拠によれば、原判決のように認めることができるから、

これらに対する論点もすべて適法な上告理由とすることはできない。これを要する

に、原判決には違法と認むべき点が認められないから、原判決に潔く服罪して大悟

徹底し、精励一番、せめて仮出獄の恩典にでも浴するように心掛けることが残され

ている唯一つの道である。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

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検察官 十蔵寺宗雄関与

昭和二四年六月一六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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