大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)332 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの上告趣意について。

所論は、或は犯意を否認し或は刑の執行猶予をしないのは、刑法の解釈を誤つた

ものであると主張する。従つて、結局事実の誤認を主張し又は量刑に関する原審の

自由裁量を非難するに帰するから上告適法の理由とならない。

被告人両名の弁護人坂野英雄の上告趣意について。

しかし、刑法にいわゆる「傷害」とは他人の健康状態の不良変更等生活機能に障

害を与える場合を包含する人の体躯の完全性を害するをいうのである。されば原判

決が判示被害者の左耳殻後部右上肢前面及び左右上腿部に与えた治療約一週間を要

する十数ケ所の擦過傷を目して「傷害」と解したのは正当であつて、この点につき

原判決には法律の解釈を誤つた違法はない。そして原判決が証拠として引用した各

被告人の原審公判廷における供述中所論傷害を負わしたとの点は各被告人において

被告事件の事実は相違なき旨答えてこれを自認したものであること原審公判調書に

徴し明らかであつて、該供述は、被告人等の実験した事実に因り推測した事項の供

述であるから証拠たる効力を妨ぐるものではない。(旧刑訴第二〇六条参照)従つ

て、原判決は、この点について虚無の証拠を断罪の資料に供した違法があるとはい

えない、その他原判決の挙げている証拠を綜合すれば原判示の傷害を肯認すること

ができるから、原判決には、審理を尽さないで不法に強姦致傷罪を認めた違法があ

るともいえない。それ故論旨はすべてその理由がない。

よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 十蔵寺宗雄関与

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昭和二四年七月七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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