大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)360 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人日下文雄上告趣意第一点及び第二点について。

記録を精査するに、被告人に対する原審第一回公判期日が昭和二三年一二月八日

と指定されたにも拘わらず、該期日の召喚状が被告人に送達せられたのは同月五日

であり、旧刑訴三二一条一項所定の三日の猶予期間の存しなかつたことは、所論の

通りである。しかし原審公判調書の記載によれば被告人は右期日に出廷し何等異議

を述べず弁論をしていることが窺い得るのであるから、同条二項により右猶予期間

を存しなかつた瑕疵は治癒されたものと認むべきであり後日上告論旨で手続上の違

法として非難され得るものとはいえない。元来猶予期間の制度は被告人の利益のた

めに認められたものに過ぎないのであるから、かかる猶予期間の存しない場合にお

いても、被告人が任意期日に出頭し異議なく弁論をなさんとするのを妨ぐべき理由

はなく、またもしかかる場合なお期日を変更し手続を新たにしなければならないと

すれば、結局事件の終結をそれだけ遷延する結果となり、却つて被告人のため不利

益を招来することになるからである。されば原判決には論旨第一点所論のような手

続上の違法は存在しないのである。従つてかかる手続上の違法あることを前提とす

る論旨第二点の違憲論も、憲法適否の問題に触れるまでもなく、その理由なきこと

は明らかである。

よつて旧刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二四年七月七日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

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