大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)495 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人菊地養之輔の上告趣意第一点、第四点について。

しかし、原判決は、判示配給米は性質上農民に対する配給用以外に使用し得ない

にかかわらず業務上保管の配給米中うるち玄米四斗入六五俵をほしいままに被告人

Aに貸渡してこれを横領した旨の事実を認定判示したものであつて、所論の操作米

を横領した事実を認定したものではない。そして原判決挙示の証拠によれば、原判

示配給米はその実質が還元配給を受ける各個人の所有に属し、従つて性質上配給以

外に流用し得ないものであることその他原判示横領の事実認定を肯認することがで

きその配給米貸渡につき還元配給を受くべき者の承諾その他これを正当ならしめる

事由を認むべき資料はこれを見出すことができない。それ故所論操作米の貸渡の外

配給米の貸渡についても農業会の幹部の承諾を得た証拠があるからといつて、判示

配給米横領の認定について所論一点のような違法があるとはいえないし、また、判

決の事実理由は判示事実の摘示と挙示の証拠説明と相俟つて知り得れば欠くるとこ

ろないものであるから、原判決には所論四点のような違法も認められない。

同第二点、第三点について。

しかし、原判決の第一の判示は、被告人Bが配給米六五俵を判示倉庫において貸

渡して横領した事実を、同第二は、同被告人が原審の相被告人Aと共謀の上玄米四

斗入一一三俵を判示倉庫から判示海岸近くの海上まで運搬した事実を夫々認定した

ものであつて両者の間に何等の矛盾も存在しない。そして、原判決挙示の証拠によ

れば、共謀、運搬その他原判示第二の事実認定を肯認することができるから、原判

決には所論の違法も認め難い。

よつて刑訴施行法二条、旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文の

- 1 -

とおり判決する。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二七年一二月一一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢田竹治郎退官につき署名押印できない。

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!