大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(オ)231 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人滝沢齊の上告理由第一点について。

所論の「親権喪失の法定原因たる親権の濫用又は著しき不行跡にあたらない」の

原判示は第一審の判示事実摘示第一の末段即ち「被告は毫も自分の非を反省せず却

つてDをして昭和二一年五月a警察署に右Eを名誉毀損として告発せしめたとみえ、

Eは其の頃同署に召喚され二日間に亘り其の事実に付峻烈な取調を受けたため同人

は健康を害すること甚しく同年七月九日遂に流行病が因で死亡してしまつた。そし

て被告は之と前後し同年五月一五日Fを伴ひ実家G方に赴いたまま現在になるもH

家に帰宅しない有様である」の控訴人主張事実についての判断であること原判文上

明らかなところでありこの判断は相当である。しかるに論旨は原審が控訴人の主張

事実として摘示したものと異なり、ことに、原審が一部措信しないと説示している

証人Iの証言内容の事実を引用して原判決は破棄を免れないというのであつて、原

判決の採用しない証拠に基き原判決の判示事実と異なる事実を独断しこれを前提と

して原判決の判断を非難し結局原審の裁量に属する事実認定を不当とするに帰し上

告適法の理由とならぬ。

同第二、三点について。

論旨に主張している「被上告人は昭和二一年五月一五日Fを伴い実家G方に赴い

たまま現在に至るもH家に帰宅しない」の事実は原審でも上告人の主張しているも

のであるが、その余の主張事実並びにこれを前提とする見解はいずれも原審で何等

主張されていないところであるから、原審がこれ等の主張されない事実並びにこれ

を前提とする見解について審理判断しなかつたからといつて原判決を違法というこ

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とはできない。また被上告人が憲法一二条に違反し、同一一条の保障する基本人権

を侵害した旨の論旨は結局名を憲法違反に藉りてその実質は独自の見解に立つて原

判決の事実認定を非難するに帰しとるをえないのである。

よつて民訴四〇一条九五条、八九条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決

する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

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