大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(オ)50 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士赤司友輔上告理由第一点乃至第四点について。

原判決は、要するに本件家屋の明渡については、当事者双方にそれぞれ判示の如

き諸般の事情あることを認定し、これらの事情を対比衡量すれば、その困窮の情況

互に拮抗するものの如くであるが、事態全般の事情としてはなお家屋の所有者であ

る被上告人等において自らこれを使用する必要があり、従つて、本件賃貸借の更新

拒絶につき正当の事由あるものと断ぜざるを得ない旨判示した趣旨であり、必ずし

も所論の如く賃借権に対する所有権の優位を認めてこれのみに基ずき右の詰論をな

したものとは解されない。この事は原判決を熟読することによつて容易に了解し得

るところでめる。原審の右判断はその認定に係る諸般の事情を比較衡量した結果と

してこれを首肯するに十分であり、所論のように被上告人等に現住所を失う危険あ

ること、及び本件家屋でなければ被上告人等において商売をいとなみ得ないこと、

並びに上告人が相当の対価を支払つてもその移転先を求められないこと等の事実を

確定した上でなければ判示の如く結論し得ないものではない。原判決には所論のよ

うな違法はなく、論旨は恰も賃貸人は自己を犠牲にして賃借人の窮乏を救済すべき

義務ありとなすものの如く、被上告人等のためにも主張し得べき理論を独り上告人

のためにのみ主張し原判旨に副わない論難を披・するに止まり採用の限りでない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

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裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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