大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1401 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

被告本人の上告趣意及び弁護人坂本泰良上告趣意第一点について。

第一審判決の認定した所論強盗強姦の事実は、その挙示する証拠に照らしこれを

肯認するに難くないのであり、この事実認定を肯定した原判決にも何等の違法もな

い。所論はいずれも事実審の裁量権に属する証拠の取捨乃至事実認定を非難するに

帰着し、刑訴四〇五条所定の上告理由に該当しない。

同弁護人上告趣意第二点について。

記録によれば所論の如く第一審第三回公判において検察官が起訴状の罪名罰条を

変更し、裁判所がこれを許可したことを認め得る。しかし、右罰条の変更が被告人

の在廷する公判廷においてなされたものであること、しかも裁判長においてこれが

変更に対する防禦準備のため公判手続停止の請求をなす機会を与えんとして特に陳

述の有無を尋ねたのに対し、被告人及び主任弁護人はいずれもこれなき旨答弁して

いることも、また記録上明らかなのである。かくの如く、被告人の在廷する公判廷

において罰条等の変更がなされた場合、これを更に被告人に通知することを必要と

しないものであることは、原判決の説示する通りである(刑訴規則二〇九条五項参

照)。右と反対の見地の下に、第一審公判手続に刑訴三一二条違反ありとする所論

には賛同することはできない。されば所論は理由なき単なる訴訟法違反の主張に外

ならないのであつて刑訴四〇五条所定の上告適法の理由とならない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号一八一条一項に従い主文の通り決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二五年一一月一六日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

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