大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1565 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当番における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人岡付大の上告趣意について。

しかし、所論の刑訴法施行法五条にいわゆる前条の事件とは、犯行の行われたの

が刑訴法施行の前なると後なるとを問わず、いやしくも刑訴法施行の際にまだ、公

訴の提起されていない事件のすべてを指すものと解すべきことは、当裁判所の判例

とするところである(昭和二四年新(れ)第三二二号同二五年七月一三日第一小法

廷判決、判例集四巻七号一、三三五頁)。されば刑訴法施行後である昭和二四年九

月三〇日に愛知中村簡易裁判所に提起された本件公訴の被告人が弁護人の選任を辞

退したので同裁判所が同条に従い弁護人を選任せずして開廷審理したからといつて、

所論のように刑訴二八九条一項に違反するものとはいえない。従つて同条違反を前

提として第一審判決並びにこれを是認した原判決の憲法三七条三項違反の論旨はそ

の前提を欠きとるをえないから、論旨は刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたら

ないし、また記録を精査するも本件には同四一一条を適用すべきものとも認められ

ない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号一八一条一項に従い裁判官全員一致で主文

のとおり決定する。

昭和二六年六月七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 軸

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裁判官 岩 松 三 郎

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