大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1747 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人太田耐造、同玉澤光三郎の上告趣意第一点について。

所論引用の大審院判例は本件に適切でないばかりでなく、所論は原判決の判示に

副わない事実認定を前提として判例違反を主張するものであつて、原判決は毫も所

論判例と相反する法律上の判断を示していないのである。されば、所論は、結局第

一審判決の事実誤認又は理由不備を主張するに帰し刑訴四〇五条所定の適法な上告

理由となし難い。

同第二点について。

原判決は、事実を認定した綜合証拠中に虚無の証拠があり又は証拠調をしない違

法な証拠があつても差支えない旨の法律上の判断は何等示していない。されば、原

判決は毫も所論判例と相反する判断はしていない、従つて、所論は結局単に原判決

の説明自体が虚無の証拠に基くか又は第一審判決の認定が証拠調をした形跡のない

証拠に基いた訴訟法違反の違法があると主張するに過ぎないものと解せられるから、

刑訴四〇五条各号のどれにも該当しない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号に従い主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年五月三一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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