大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)188 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人後藤正三の上告趣意について。

論旨第一点の前提とするところは、要するに第一審判決が被告人に対し累犯加重

の法条を適用しないのは違法であるというに帰する。しかし、第一審判決は被告人

に前科のあることを判示してはいない。しかるに上訴審において第一審判決の認め

ていない前科のあることを主張して累犯加重をしないことを非難するのは、新らた

な事実を以て第一審判決を被告人に不利益に変更することを求めるものといわなけ

ればならない。されば、論旨第一点はすでにその前提において被告人のための上訴

理由として採ることができない。次に、論旨第二点は論旨第一点を前提とし、また、

論旨第三点は論旨第一、二点を前提とする独自の法律論である。されば、所論は、

すべて明らかに原判決に対する刑訴四〇五条所定の上告理由ではない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条に従い、裁判官全員一致の意

見で主文のとおり決定する。

昭和二五年六月二九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

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