大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1893 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

弁護人石井一郎上告趣意について。

所論は、当審において新らたに第一審判決には審理不尽にして証拠によらずして

事実を認定した違法があると主張するに過ぎないものである。しかし、第二審裁判

所は控訴趣意書に包含されない所論第一審判決の訴訟手続に関する欠点を職権で調

査しなければならない義務があるものとはいえない。されば、所論は明らかに刑訴

四〇五条所定の上告理由に該当せずまた本件は同四一一条により職権を発動して原

判決を破棄すべき場合とも認められない。

被告本人の上告趣意について。

被告人は犯情を訴え更にそれらの点に関し詳細な事実審理を得るため原判決を破

棄し事件を原審に差戻しされたいと主張するのである。されば所論は明らかに刑訴

四〇五条所定の上告理由に該当しない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号一八一条一項に従い主文の通り決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二五年一一月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

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