大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1967 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人吉住慶之助の上告趣意について。

刑訴三三七条二号の「犯罪後の法令により刑が廃止された」場合に免訴を言渡す

べき旨の規定が憲法三九条の「何人も実行の時に適法であつた行為については刑事

上の責任を問はれない」旨の条規の内容をなし又はその反射作用であるから、犯罪

後の法令による刑の廃止の場合に免訴の言渡をしなかつたときは、唯に右刑訴法規

の適用を誤つたばかりでなく、実は前記憲法の条規に違反し又はその解釈を誤つた

ものとする趣旨の所論は、独自の見解であつて、是認することはできない。されば、

右見解を前提とする本論旨の実質は、単に刑訴四一一条五号に該当とする事由のあ

ることを主張するに帰するのであつて、明らかに上告適法の理由にならないといわ

なければならない。そして、昭和二三年一〇月一三日頃なされた被告人の本件更新

自動車用タイヤーの超過価格販売行為につき原判決が適用した同年九月一〇日物価

庁告示八三三号(所論に八八三号とあるのは誤記と認める)による統制額がその後

一部改正され結局昭和二五年四月八日同庁告示二八五号により全部廃止されて同タ

イヤーについて現在統制価格の存しないことは所論のとおりである。(但し所論引

用の通牒、省令等は配給統制に関するもので、統制額に何の関係もない見当違いの

ものばかりである。)しかし、物価統制令三条違反の行為があつた後に価格等の統

制額を指定した告示が廃止されても犯罪後の法令により刑が廃止されたときにあた

らないことは、当裁判所大法廷判決の趣旨とするところであるから(昭和二三年(

れ)八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決刑事判例集四巻一〇号一九七二頁以

下参照)、所論は、刑訴四一一条五号にも該当しない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号に従い主文のとおり決定する。

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この決定は、本論旨のように免訴を相当とし刑訴四一一条五号にあたるとする眞

野裁判官の反対意見(前掲判決における同裁判官の意見と同一趣旨)を除くの外裁

判官全員一致の意見によるものである。

昭和二六年三月二九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 眞 野 毅

裁判官 齊 藤 悠 輔

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 岩 松 三 郎

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