大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2040 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松澤龍雄、同間運吉の各上告趣意について。

しかし、新刑訴における控訴審は事後審であるから、第一審判決の事実誤認の主

張については、原則として訴訟記録及び第一審裁判所において取り調べた証拠に現

われている事実を取り調べるを以て足り(刑訴三八二条参照)、刑訴三九三条一項

但書の場合の外新らたに事実の取り調べをすることを要するものではない。されば、

原審が所論証人訊問申請を全部却下してこれが取調をしなかつたからといつて間弁

護人主張のとごく弁護人の弁護権を不当に断圧し被告人に防禦の余地を与えなかつ

た違法があるといえないし、また、憲法三七条二項は裁判所が当事者の申請したす

べての証人を訊問しなければならないことを保障した規定でないことは既に当裁判

所大法廷の判例とするところであるから、松澤弁護人主張のごとく同条項に反した

違憲があるともいえない。そして、記録を精査しても同四一一条を適用すべきもの

とも認められない。

よつて、同四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二六年五月三一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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