大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2074 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

被告本人及び弁護人吉原歓吉の各上告趣意について。

所論はいずれも刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に該当しない。のみならず併

合罪の関係にある二個以上の犯罪について、各別に公訴の提起があり各別個の事件

として、同一裁判所に繋属する場合においても、これを併合審理するか否かは、裁

判所が各場合における諸般の事情を斟酌して適当に裁定するとこるに委ねられてい

るのである。そして刑法はその四七条乃至五三条において、併合罪が同時に審判せ

られる場合の刑の加重併科等に関して規定すると共に、それが各別に裁判せられた

場合にあける刑の執行に関しても特に規定を設け以て併合罪が各別個の事件として

審判せられるか否かにより被告人に不利益を来さないように用意しているのである。

しかも併合罪が各別個の事件として審理せられる場合においても裁判所はその間の

事情を斟酌して刑の量定をなし得るのであるから、それらの事件が併合審理されな

かつたとて、これにより必然的に被告人の利益が害されるものとはいい得ないので

ある。されば原審が所論の被告事件を本件と併合して審判しなかつたとしても原判

決に所論のような違法があるということはできない。論旨はいずれも採用に値しな

い。そして本件は刑訴四一一条に従い職権を発動すべき場合とも認められない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号一八一条一項に従い主文の通り決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年一月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

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裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

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