大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2586 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人久保久治並びに被告人の上告趣意について。

弁護人の所論は、第一審判決の詐欺の事実は食糧緊急措置令一〇条違反として処

罰さるべきものであり、また公定価格による代金を支払つているから詐欺罪の騙取

にもならないというのであるか又は量刑不当であると主張するものと解される。次

に被告人の上告趣意は第一審判決の量刑甚だしく不当であるというのである。され

ばいずれも明らかに刑訴四〇五条に定める上告適法の理由とならない。また、同令

一〇条にあたる罪が同時に刑法詐欺罪に触れるときは詐欺罪をもつて所断すべきこ

とは判例の示すとおりである(判例集二巻八号九〇三頁)。また、食糧を詐取する

のに公定価格による代金を支払つても詐欺たるを免れないこと勿論であり、その他

記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和二六年七月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

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