大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2843 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人三輪寿壮の上告趣意について。

原判決は、被告人が現在公文書偽造行使、詐欺被告事件で起訴せられ、名古屋高

等裁判所に繋属中である事案を、本件刑の執行を猶予するか否かを裁定する資料の

一に供したにすぎないのであつて、所論のように右控訴中の別件があるから、被告

人は刑法二五条一項にいわゆる「禁錮以上の刑に処せられたとき」にあたり、法律

上刑の執行を猶予されえない者である趣旨を判示したものでないことは判文上明ら

かである。されは原判決は論旨に指摘する判例に異なる法律上又は事実上の判断を

示したものではないから、論旨第一点はその前提を欠き刑訴四〇五条三号に定める

上告の理由にあたらない。次に刑の執行を猶予するか否かは事実裁判所が犯人の性

格、年齢、経歴、犯罪の情状等を参酌して適当に決定するところに委されているの

であつて、原審は所論控訴中の別件の繋属することを被告人の経歴として被告人に

本件刑の執行を猶予するか否かを裁定する資料の一に供したのにすぎないのであつ

て所論の「無罪の推定」を否定した判旨でないこと原判文上明白である。されば論

旨第二点も亦その前提において原判旨に副わない主張を示すものであり刑訴四〇五

条一号に定める事由にあたらない。そして記録を精査するも本件には同四一一条を

適用すべきものとも認められない。

被告人の上告趣意について。

論旨は量刑不当の主張に帰し刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらないし、

同四一一条を適用すべきものとも認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

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昭和二六年八月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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