大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2870 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人服部芳太郎の上告趣意第一点について。

所論第一審判決判示第二の(一)(二)の事実は、それぞれ被告人がAの依頼に

より同人が他から窃取して来た判示各物件を賍物たる情を知りながら判示各代金額

でBに売却することを周旋したというのである。そしてこの事実認定は同判決挙示

の証拠を綜合すればいずれもこれを肯認するに難くないのである。被告人がBの店

員であり、右被告人の所為がBの店頭でなされたものであるからとて、この一事か

ら被告人がB及びA間の売買を周旋する余地はないと速断することはできない。さ

ればこの点において被告人を賍物牙保罪に問擬したのは当然であり、第一審判決及

びこれを是認した原判決に所論のような違法はない。所論は畢竟事実審の裁量に属

する事実の認定を非難するに帰着し刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に該当しな

い。

同第二点について。

所論は単なる訴訟法違反の主張であり刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に該当

しない。のみならず所論起訴状及び第一審判決判示第三の事実摘示の記載によれば

被告人の故買した物件は五吋一本及び三吋二本合計三本であるとする趣旨なること

極めて明白である。第一審判決及びこれを是認した原判決には所論のような違法は

なく所論は単なる訴訟法違反の主張としても理由なきものである。なお記録を精査

しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条三八六条一項三号に従い主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年六月二八日

- 1 -

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!