大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)3105 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人樋渡道一の上告趣意について。

所論の昭和二一年一〇月一日法葎三二号臨時物資需給調整法(以下調整法と略称

する)はその附則中に昭和二三年四月一日を以て失効する旨を規定しているが右附

則中の「昭和二三年四月一日」を「昭和二四年四月一日」に改正する法律案が昭和

二三年三月三一日衆参両院でそれぞれ可決され、同日法律(昭和二三年法律一六号)

となつたのであるから、所論のように右改正法律一六号が同年四月九日に至つて公

布されたので所論の調整法は同月一日から八日までの間その拘束力を有しえないこ

とは格別であるが、さればといつて、同年四月一日を以て失効する筋合ではない(

昭和二五年(れ)一七八五号同年三月一日第一小法廷判決判例集五巻四号四七八頁

参照)。そして、さらに、衆参両院でそれぞれ可決され昭和二四年三月三一日に成

立し同日公布された同年法律二一号で所論の調整法附則中の「昭和二四年四月一日」

を「昭和二五年四月一日」に改正されているのであるから、所論の調整法は本件犯

行当時(昭和二四年六月一〇日頃)は有効に存続しているのであるし、所論の昭和

二五年三月二四日農林省令二三号附則二項には「この省令施行前にした行為に対す

る罰則の適用についてはこの省令施行後もなお従前の例による」と規定しているの

であるから、本件のような同省令施行前に犯した統制違反の行為は同省令施行後も

なお処罰を免れえないものといわなければならぬ。されば所論調整法の失効乃至刑

の廃止を論拠として原判決を以て憲法三一条に違反すとの論旨第一点はその前提を

欠くものであり、量刑不当の主張に帰する論旨第二点とともに刑訴四〇五条に定め

る上告の理由にあたらないし、同四一一条を適用すべきものとも認められない。よ

つて刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

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昭和二六年九月六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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