大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)3344 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人向江璋悦の上告趣意第一点について。

論旨に摘示する第一審判決の冒頭判示は単に被告人の経歴としての説示にとどま

つて、同判決がこれを事由として累犯加重をしていないことは判文上明らかなとこ

ろであり、仮りに第一審がこれを情状として量刑の判断資料に供したとしても、か

かる事実を量刑の資料に供しても所論憲法の規定に違反するものでないと解すべき

ことは昭和二四年(れ)一二六〇号同年一二月二一日大法廷判決(判例集三巻一二

号二〇六二頁以下)の趣旨とするところである。されば第一審判決を是認した原判

決は所論憲法の規定に反すとの論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は第一審が所論の各告訴調書に証拠能力を認めたのは刑訴三二六条に違反し

ているのにかかわらず原判決がこれを是認したのは違法であつて判決の結果に影響

を及ぼすものであるから刑訴四一一条によつて原判決は破棄すべきであるというの

である。されば論旨は明らかに刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらない。そ

して所論の各告訴調書のように、被告人においてこれを証拠とすることに同意して

いるものを証拠とするか否かは、その調書の作成されたときの情況を考慮して、事

実審裁判所において適当に裁定するところに任されているものであることは、所論

刑訴の規定に徴し明らかなところである。されば所論告訴調書が仮りに所論のよう

な情況の下に作成されたとしても、それにもかかわらず第一審が所論告訴調書を証

拠に供したからといつて裁量当否の問題であつて、違法ということはできない。さ

れば第一審判決を是認した原判決は刑訴四一一条によつて破棄さるべきであるとの

論旨はとるをえない。

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よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号に従い裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和二六年一二月六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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