大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)3407 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人Aの負担とする。

理 由

被告人B弁護人福田覺太郎の上告趣意について。

第一審において、被告人Bが犯行当時心神の喪失又は耗弱の状態にあつたとの主

張がなされていないことは第一審公判調書の記載で明らかである。されば、かかる

主張がなされたことを前提として被告人Bの精神鑑定の申請を却下した第一審判決

を是認した原判決を目して憲法一三条に違反するとなす論旨第一点はその前提を欠

きとるをえないから、論旨は刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらない。また、

憲法三七条一項にいわゆる公平な裁判所の裁判とは組織構成において偏頗のおそれ

のない裁判所の裁判を指すのであるから、原判決の是認した第一審判決の量刑が共

犯者によつて彼是相違し、被告人の側から見て、偏頗であると思われるからといつ

て、原判決が所論憲法の規定に反するものといえないことは当裁判所屡次の判例の

趣旨に徴し明らかなところである。論旨第二点は理由がない。そして記録を精査す

るも本件には刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

被告人B、同A、同人弁護人大島正義の各上告趣意について。

各論旨は量刑不当若しくは単なる訴訟法違反の主張に帰するから、明らかに刑訴

四〇五条に定める上告理由にあたらない。そして大島弁護人の上告趣意第一点に指

摘する起訴状に被害者をCフミと記載せる点について、検事は第一審第二回公廷に

おいて、Cツルの誤記であるから訂正する旨を申立ていることが明らかであり、ま

た同第二点に論ずるCテルは前後の記載に照しCツルの誤記であることも記録上明

白であるから、原判決には所論の違法はない。それ故、本件には刑訴四一一条を適

用すべきものとも認められない。

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よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い全裁判官一致で主文のとおり判決する。

昭和二六年七月五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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