最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)436 判決
主 文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理 由
弁護人鈴木喜太郎の上告趣意について。
控訴裁判所が刑訴四〇〇条但書によつて破棄自判をし、有罪の言渡をする場合(
但し擬律錯誤のみの場合は除く)においては、同四〇四条により同三三五条が準用
せられ、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならないこ
とは、所論の指摘するとおりである。しかし、それは必ずしも控訴判決自体におい
て具体的に掲ぐることを要するものではなく、第一審判決を引用する方法を採るこ
とも許されるのである。さて、本件は第一審判決の刑の量定が不当であるとの理由
で破棄自判をしたものであり、判文においても「原審が認定した事実」について法
律の適用を示しているのであるから、罪となるべき事実及び証拠の標目は第一審の
判決を引用している趣旨であることは明らかである。それ故に、論旨は採るを得な
い。
よつて刑訴四〇八条、一八一条に従い主文のとおり判決する。
この判決は裁判官全員の一致した意見である。
昭和二六年三月二二日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 眞 野 毅
裁判官 澤 田 竹 治 郎
裁判官 齋 藤 悠 輔
裁判官 岩 松 三 郎
- 1 -