大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)560 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人岡村大の上告趣意第一点について。

記録によれば所論のA外三名の司法警察職員に対する各供述調書については、第

一審第二回公判廷において、検察官からこれが取調を請求し、被告人はこれを証拠

とすることに同意し、その証拠調に異議がない旨を答えたので、検察官は右供述調

書を朗読して、裁判官に提出し適法にこれが証拠調がなされたものであることが認

められるのであるから、所論の各供述調書は刑訴三二六条によつてこれを証拠とす

ることができるものであることはいうまでもないところである。されば論旨前段は

名を憲法違反に藉りてその実理由なき訴訟法違反を主張するにすぎないものでとる

をえない。また所論の各供述調書を以て証拠能力を欠くものと前提して、原判決の

是認した第一審判決は被告人の自白のみを唯一の証拠として断罪をしたもので、憲

法三八条三項に違反すとの論旨後段は、その前提たる事実を欠きとるをえない。さ

れば論旨はいずれも刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらないし、同四一一条

を適用すべきものとも認められない。

同第二点及び同第三点(一)乃至(六)について。

論旨はいずれも原判決の是認した第一審判決の証拠の取捨乃至事実の認定を非難

するに帰するから、明らかに刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらないし、同

四一一条を適用すべきものとも認められない。

同三点(七)について。

上告申立の理由は上告趣意書中に明示しなければならぬのであるから、控訴趣意

書第三の記載を援用すとの論旨は不適法であつて、説明を与えない。

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被告本人の上告趣意(上告申立書中の)について。

論旨は結局原判決の是認した第一審判決の事実認定を不当とするに帰するから、

明らかに刑訴四〇五条の上告の理由にあたらないし、同四一一条を適用すべきもの

とも認められない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号、一八一条に従い全裁判官の一致で主文の

とおり決定する。

昭和二六年七月二六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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