大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)734 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

弁護人森山邦雄上告趣意第一、二点について。

所論第一審判決の事実認定は、その証拠説明によつて明らかなように、被告人の

自白の外Aの作成した昭和二四年三月三日附書面(検第一号)、司法警察員作成の

差押調書(検第二号)及び司法警察員作成の現行犯人逮捕手続書(検第四号)をも

綜合認定の資料としているのである。そしてこれらの証拠は、その内容に照らし所

論被告人の自白を補強するに足るものと認められ、且つ以上を綜合すれば第一審裁

判所のなした事実の認定は、これを肯認するに難くないのである。されば第一審が

被告人の自白を唯一の証拠として有罪としたかの如く主張する上告趣意第一点の違

憲論はその前提を欠くものであり、また同第二点の所論は畢竟事実審がその裁量権

の範囲内で適法になした事実の認定を非難するに帰着し、論旨はいずれも刑訴四〇

五条所定の上告適法の理由となすに足りない。しかも本件は同四一一条を適用すべ

き場合とも認められない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号一八一条一項に従い主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年三月二九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

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