大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)912 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人角・夫上告趣意第一点について。

所論は單なる法令違反の主張であり、刑訴四〇五條所定の上告理由に該当しない。

のみならず、数罪が牽連犯となるためには犯人が主観的にその一方を他方の手段又

は結果の関係において実行したというたけでは足らず、その数罪間にその罪質上通

例手段結果の関係が存在すべきものたることを必要とするのである(昭和二四年(

れ)第二〇六三号事件同年一二月二一日大法廷判決参照)。しかるに窃盗罪と詐欺

罪との間にはその罪質上通例かかる関係の存在するものでないこと勿論であるから、

原審が第一審判決判示第一の窃盗の所爲と判示第二の詐欺の所爲とは牽連犯の関係

に立つものでないと判示したのは正当であり、所論は單なる法令違反の主張として

もその理由なきものである。

同第二点について。所論は事実審がその裁量権の範囲内で適法になした刑の量定

を非難するに止まり、刑訴四〇五條所定の上告適法の理由に該当しない。

なお本件は刑訴四一一條に從い職権を発動して原判決を破棄する必要ある場合と

は認められない。

よつて刑訴四一四條、三八六條一項三号に従い主文の通り決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年一月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!