大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(し)49 決定

主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

本件特別抗告理由について。

最高裁判所が抗告につき裁判権を有するのは、訴訟法において特に定める抗告だ

けに限られることは、裁判所法七条によつて明白である。そして、刑事訴訟法にお

いては、その四三三条に、「この法律により不服を申し立てることができない決定

又は命令に対しては、四〇五条に規定する事由があることを理由とする場合に限り、

最高裁判所に特に抗告をすることができる。」と規定しているだけで、その他に最

高裁判所に対し抗告を為しうることを認めた規定は存しない。しかるに、本件特別

抗告理由は、被告人Aに対する業務上横領被告事件に対し神戸地方裁判所豊岡支部

が為した、押収に係る金一一万〇三六一円を被害者に還付する旨の判決部分に対し、

被告人でない本件抗告人から判決手続の違法違憲を主張して判決を取消し内金八万

〇二〇〇円を刑訴三四七条四項の規定によらないで本件抗告人に還付せられたい旨

陳述しているに過ぎない。そして、本件の特例抗告は、昭和二五年八月二九日附を

以て、同裁判所が本件につき為した決定に対して刑訴四〇五条に規定する事由があ

ることを理由とするものでないことは、その申立理由自体で明白である。従つて、

本件特別抗告の論旨は、適法な抗告理由に該当しないものである。

よつて、刑訴四三四条、四二六条一項に則り、裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和二八年二月一四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 野 毅

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裁判官 岩 松 三 郎

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