大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)1185 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各被告人の弁護人後藤伝兵衞同上野基三の上告趣意一、二点について。

本件は、頗る難件である。しかし、原判決挙示の証拠を綜合すれば、原判示の事

実認定を肯認することも不可能ではない。されば、論旨二点のように原判決は証拠

に基かないで事実を認定した違法があるとはいえないし、また、論旨一点の事実誤

認の主張は当法律審に対する適法な上訴理由とは認め難い。

同三点について。

しかし、原判決は、挙示の証拠に基き被告人Aが判示昭和二三年一一月一三日頃

芸妓を聘び酒食を供し一人当り金五百九十円に相当する饗応を為し、爾余の被告人

等において同日これが饗応を受けたと認定している。されば、被告人Aを除く各被

告人は同日右金額に相当する利益を享受し終り最早やこれを没収することができな

くなつたものといわなければならない。従つて、被告人Aの召聘した右芸妓の花代

四千円を同人がまだ支払わず、却て、他の収賄被告人が本件発覚後これを支払つた

としても右一一月一三日頃における贈収賄罪の成立を阻却し又は判示追徴を為すを

妨げる理由とはならない。それ故、本論旨も採用できない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官竹原精太郎関与

昭和二五年一一月九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 澤 田 竹 治 郎

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裁判官 岩 松 三 郎

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