大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)1289 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人高井正一上告趣意第一点について。

所論共謀の点に関する原審の認定は、原判決挙示の証拠に照らし、これを肯認す

るに難くないのである。また、原審は本件犯行当時被告人が心神耗弱の状況にあつ

たとは認められない旨判示しているのであり、この原審の事実認定も、その認定の

資料とせられた証拠、殊に被害者である証人A及びBの被害当時における被告人の

行動に関する各証言と、Aに対する検察事務官の聴取書中の同人の供述記載に徴し

ても、これを首肯するに十分である。されば所論は結局事実審である原審がその裁

量権の範囲内で適法になした事実認定を非難するに帰着し上告適法の理由とならな

い。

同第二点について。

原判決の認定事実によれば、原審相被告人Cと共謀の上、被告人がAに対し、判

示の如く暴行脅迫を加えその反抗を抑圧している間に、共謀者たるCにおいて右A

所有の自転車一台を奪取したというのである。従つて被告人はたとい自転車の奪取

行為そのものには直接関与しなかつたとしてもなお強盗既遂の責を免れ得ないもの

たることは多言を要しないところである。原判決には所論のような違法はない。論

旨は上告趣意第一点について説示したように原審が適法に認定した共謀の事実を否

定し、これを前提として被告人の判示所為は脅迫罪を構成するに過ぎないと主張す

るものであり、畢竟事実審たる原審が適法になした事実認定を非難するに帰着し上

告適法の理由となすに足りない。

同第三点について。

所論は原審の裁量権に属する刑の量定を非難するものであり、上告理由として採

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用し得ない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 松本武裕関与

昭和二五年一一月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

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