大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)383 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人石川右三郎上告趣意について。

本件起訴状には詐欺の目的物として行李一個並びに青色トランク二個(衣類等合

計九十二点時価九万六千四百五十円相当在中)と記載され、原判決の認定した詐欺

の目的物は現金七百円及び衣類雑品合計七十数点在中の柳行李三個擬革製小型トラ

ンク一個とあつて、公訴事実の詐欺目的物と原判決認定のそれとは同一ではないけ

れども、詐欺罪の目的物の数額の増減のごときは犯罪の性質態様個数等を異ならし

めるものではないから、公訴事実の同一性には何等影響を及ぼさないものである。

従つて、原判決には所論のごとき違法は認められない、論旨はその理由がない。よ

つて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。この判決は裁判官全員一致の意

見である。

検察官 長谷川瀏関与

昭和二五年六月一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 田 中 耕 太 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!