大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)606 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人上告趣意について。

所論は、事実誤認と量刑不当の主張に帰し、法律審に対する適法な上告理由とし

ては認め難い。

弁護人岡良賢上告趣意第一点について。

原判決は、列挙の証拠に基いて犯罪事実を認定したものであり、その認定が実験

則に反すると認むべき箇所はないのであるから、この点に関する所論前段は理由な

きものである。次に、憲法三七条二項は、裁判所が審理に必要適切でないと認める

証人まで、申請さえあればすべて喚問すべきことを定めている趣旨でないことは、

当裁判所の判例に示したとおりである。それ故本件において原審が証人申請を却下

したことをもつて前記憲法規定に違反するものとは認めるごとができない。

同第二点について。

所論は、すべて第一審判決及び第一審の訴訟手続の違法を主張するものであつて、

原審の判決又はその訴訟手続の違法を主張するものではないから、適法な上告理由

と認め難い。

同第三点について。

原審第一回公判調書によれば、検事は公訴事実の陳述として第一審判決摘示と同

一の公訴事実を述べたのであり、そして第一審判決には被告人に対する本件犯罪事

実の摘示が明白に存在するのであるから、検事がこれを引用して公訴事実の内容を

示したことは正当であつて何等違法のかどはないのである。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

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検察官 安平政吉関与

昭和二五年六月二九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

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