大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)798 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人淺野昇の上告趣意について。

第一点 所論書類の作成者である司法警察官警部代理巡査部長Aの名下に捺印の

ないことは所論のとおりである。

しかし、同書類にはBの署名拇印並に右Aの署名が存し、各葉の間にAの印で契

印が施され、神戸市生田警察署印が押されており、さらに立会人巡査Cの署名押印

があり、真正に成立した書類と認め得られるから、捺印を欠くの一事をもつて、所

論のように証拠能力のない書類と断じ去ることはできない。論旨は、それ故に採る

を得ない。

第二点 原審は所論の中止未遂の事実を認定しなかつたのであるから、中止未遂

の減軽をしなかつたのは当然であり、又原審においては被告人又は弁護人から中止

未遂の主張はなかつたのであるから、原判決がこの点について判断を示さなかつた

のは当然である。所論は、原審の証拠の取捨判断を非難し、事実誤認を主張するに

帰するが、原審の事実認定には実験則に反する違法のかどを認めることはできない。

論旨は採るを得ない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 竹原精太郎関与

昭和二六年三月一五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 眞 野 毅

裁判官 澤 田 竹 治 郎

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裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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