大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(オ)133 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告訴訟代理人弁護士岡村玄治、同石井康上告理由第一点、原判決が控訴人(上

告人)はDに「自分は学校の軍事教練係から時々呼出を受けたりするし、教練の成

績如何は進級にも相当影響する」旨を告げたことのある事実を認定したのに対し、

所論はこれを認むべき証拠はないと主張する。しかし、一審における上告人本人訊

問調書(記録三二丁)、二審におけるD訊問調書(八〇丁)によれば、原審の前記

認定は適法な証拠によるものということができる。論旨は、原審の認定した諸々の

事実によつても国籍回復のために上告人とDが相談したものとは推認することがで

きないと主張するが、原判決の認定した事実によれば相談したことを認め得られる

のであり、その問所論の実験則に反するかどは存しない。論旨は採ることができな

い。

同第二点、原判決が「国籍回復と言うが如き控訴人(上告人)の一身上にとり重

大なる案件を右両名において独断専行するというようなことは、余程特段の事情が

ない限り、到底吾人をして首肯せしめるに足りない」と判示したのに対し、所論は、

種々の事情を述べているが、これらの事情によつても、独断で国籍回復許可の申請

をしたとすべき特段の事情ありと認めることはできない。原審には所論の違法はな

いから、論旨は採るを得ない。

同第三点、所論は、原判決には理由不備の違法があると主張するが、第一、二点

の論旨に理由がない以上、原判決の理由不備を認むべき根拠はない。論旨は採るこ

とができぬ。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとお

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り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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