大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(オ)25 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士鍛治利一、同大野一作の上告理由第一点について。

原判決の所論の事実認定は、挙示の証拠で肯認でき、その間社会通念に反する点

は認められない。それ故、所論は採用できない。

同第二点について。

Dが一町二、三反もあつた田を自分の都合で四反七畝二十歩に減らした事実は、

原審で上告人が主張しなかつたところであり、また、原判決も認めていないところ

である。そして、仮りにその事実があつたとしても、本件買収により被控訴人(上

告人)の生活状態がDのそれに較べ著しく悪くなるものとは認められないとの認定

を左右するとは思われないから、原判決には所論の違法は認められない。

同第三点について。

原判決の確定したDの生活状態と上告人のそれとを比較して考察すれば、本件買

収により上告人の生活状態がDのそれに比し著しく悪くなるものとは認められない

とした原判決の判断を是認することができる。それ故原判決には所論の違法は認め

られない。

同第四点について。

原判決挙示の証拠を綜合すれば、原判示の上告人の生活状態に関する事実認定を

肯認することができるから、所論は、採用できない。

同第五点について。

原判決は、要するに本件合意解約は、その当時施行の農低地調整法九条の規定に

より市町村農地委員会の承認を得なければならないものではないから、その合意解

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約は一応適法に成立したものとみなければならないが、しかし、判示理由により正

当なものということを得ないものであるから、被上告人が本件小作地を買収より除

外しなかつたのを違法であるといえないとしたものであつて、その判示は肯認でき

る。所論のように農地の集中を生ぜざる限り、適法な合意解約があつたときは、遡

及買収計画を定めることができないと解すべきものではない。また原判決は所論の

ように土地所有者であるとの一事によつて耕作者たる機会を奪う趣旨のものとは理

解できないから、憲法一四条に違反する旨の所論は、その前提を欠き採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 即

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