大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(オ)89 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告訴訟代理人弁護士堀嘉一の上告理由について。

所論二の(一)は、本件売買の目的物の引渡場所は、被上告人において毛馬内駅

渡と主張し、上告人もこれを争わず、この点当事者間に争いがなかつたことを前提

として、原判決を非難している。記録によると、最初被上告人(原告)は、訴状の

陳述により毛馬内駅渡の約である旨を主張したが、上告人(被告)の答弁書陳述に

より右主張を否認されたので、その後準備書面陳述により所論一の原判決認定どお

りの主張をしている(三二丁、四六丁、四七丁)。それ故、原判決には所論の違法

はない。

所論二の(二)は、原判決が「無条件で右現物を引取ることを約」した旨を判示

しておるけれども、被上告人はそんな主張はしておらないという。しかし、記録に

よれば、被上告人は、第一審における昭和二三年一〇月一九日の第一審口頭弁論期

日において同様な主張をしていることは明らかである(三一丁以下)。一審判決も

この事実を認定し、原審でも主張されている。それ故、論旨は採るを得ない。

所論二の(三)(四)は、本件売買が見本売買であることが当事者間に争いがな

かつたことを前提として原判決を非難する。上告人が、本件売買をもつていわゆる

見本売買だと主張していることは、所論のとおりである。しかし、被上告人(原告)

の準備書面陳述によると、見本売買であることを争つている趣旨と認められる(記

録三二丁、四五丁)。また上告人の反訴原告としての見本売買の主張に対し、被上

告人は反訴被告として見本売買たることを否認する趣旨を述べている(五九丁、七

四丁の二)。原判決の事実認定もまた、本件売買を現物売買と認めたものとは解す

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ることができない。それ故、論旨は採ることを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、全裁判官の一致で、主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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