大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)125 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人布施辰治の上告趣意(後記)はいずれも単なる訴訟法違反の主張を出でな

いものであり刑訴四〇五条所定の上告理由に該当しない。(原審の是認した第一審

判決における判示第一の事実摘示には、濁酒密造幇助罪の具体的判示として何等欠

くるところはない。そして原審は右判示第一の事実は本件にあらわれた証拠によれ

ばこれを肯認し得る旨判示しているのである。されば原判決には論旨第一点所論の

ような違法は存在しない。また、原審は第一審判決においては主犯Aの濁酒密造の

事実と被告人のこれを幇助した事実とを証拠を挙げて認定しているのであるから「

主犯の証拠を挙げてないという論旨は当らない」と判示して、所論の控訴趣意を排

斥しているのである。されば論旨第二の所論は全然原判旨に副わない主張をなすも

のであり採るを得ない。次に原判決は、「所論に鑑み記録によつて被告人の本件犯

情、その他諸般の情状を考察して見たが原審の科刑は必ずしも重きに過ぐるとする

ことはできない」と説示しているのである。訴訟法が有罪を言渡す判決においても

必ずしも量刑上の理由につき斟酌された情状を一々説示すべきことを要請していな

いことに徴しても(刑訴三三五条一項参照)、原判決に量刑不当の控訴趣意を排斥

する判示として理由不備の違法ありということはできない。それ故、原判決には論

旨主張のような単なる訴訟法違反も存在しないのである)。なお記録を精査しても

本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号に従い主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年一月二四日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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