大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)2145 判決

主 文

原判決並びに第一審判決を破棄する。

第一審判決の判示第一並びに第三の(一)の罪につき被告人を免訴する。

被告人を懲役三月に処する。

第一審における未決勾留日数中一五日を右本刑に算入する。

押収にかかる第一審判決の別紙第一目録記載の船舶はこれを没収する。

訴訟費用中証人A、同B、同Cに各支給した分の内各四分の一は被告人

の負担とする。

理 由

弁護人長崎祐三、同大里一郎の上告趣意第一点は、憲法三八条違反を主張するけ

れども、所論拷問の事実はこれを認むべき資料がないから、採用できない。また同

第二点は、憲法三七条違反を主張するけれども、同条一項にいわゆる公平な裁判所

の裁判とは、裁判所が採証法上の誤をなし、若しくは、法の適用を誤り、又は、事

実認定の誤をしているがごとき場合をいうものでないことは当裁判所屡次の判例で

あるから、これまた採用できない。

しかし、職権を以て調査すると、原判決の是認した第一審判決認定の併合罪中判

示第一の不法出国の罪並びに同第三の(一)の不法出国の行為を幇助した罪は、原

判決があつた後昭和二七年政令一一七号大赦令一条により大赦があつたので、刑訴

四一一条五号、四一三条但書、四一四条、四〇四条、三三七条三号により、主文一、

二項のとおり破棄、免訴し、判示第三の(二)の罪について法令の適用をするとそ

の所為は、関税法七六条一項、刑法六二条一項に該当するから、所定刑中懲役刑を

選択し従犯であるから同法六三条六八条三号により減軽して(関税法八二条の四但

書)その刑期範囲内で主文三項の刑に処し、刑法二一条により主文四項のとおり未

決勾留日数を算入し、主文五項の船舶は、本件犯罪の用に供したもので被告人の所

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有であるから、関税法八三条一項によりこれを没収し、訴訟費用については刑訴一

八一条により主文六項記載のとおり被告人に負担せしむべきものとし、裁判官全員

一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 安平政吉出席

昭和二八年二月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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