最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)1522 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
被告人本人の上告趣意について。
原判決は、所論判示第一の(五)の事実を認定するに当り、第一審第三回公判調
書中の被告人の自白記載を唯一の証拠としたものではなく、右自白の外、第一審第
四回公判調書中の証人Aの供述記載及び同証人に対する司法警察官の聴取書の記載
をも綜合認定の資料としているのである。そして証人Aの右公判調書中の供述の一
部に、論旨の摘録するような記載のあることは所論のとおりであるが、その証言の
全部を通読すれば、原判決が引用した第一審判決証拠説明の如く「私は判示日時場
所でBから暴行された」旨供述したものであることが明白である。されば所論は、
原審が適法になした証拠判断を非難するに過ぎないものであるか、又は原判旨に副
わない違憲論を主張するものであつて、結局刑訴四〇五条所定の上告適法の理由と
なすに足りない。また記録を精査しても本件において同四一一条を適用すべきもの
とは認められない。
よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により裁判官全員一致で主文のとおり
判決する。
昭和二六年一二月六日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 岩 松 三 郎
裁判官 沢 田 竹 治 郎
裁判官 真 野 毅
裁判官 斎 藤 悠 輔
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