大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)443 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人井上峯亀の上告趣意について。

第一点 原判決の掲げている証拠殊に第一審第二回公判調書中の被告人の供述記

載によれば、農林省所属の本件銑鉄についての被告人の処分が、判示会社の赤字補

填に充当する趣旨であつたこと即ち不法領得の意思に基くものであつたことを認定

することができる。所論の被告人は不法領得の意思を上司の反対により決するに至

らなかつたと主張する点は、事実誤認を非難するもので適法な上告理由と認め難い。

それ故に、論旨は採ることができない。

第二点 所論は、原審の採用しない証拠や認定しない事実を基本として原判決の

事実認定の不当を非難するに帰着し、適法な上告理由と認めることを得ない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 竹原精太郎関与

昭和二六年六月七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 眞 野 毅

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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