大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)534 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中川兼雄の上告趣意第一点について。

本件昭和二二年政令第一六五号違反罪のような物の所持を内容とする罪を認定す

るにはその証拠として所論のように、所持した物の現存することを絶対の要件であ

ると解すべき何等の理由がない。されば原審が本件犯罪事実を人証及び書証だけで

これを認定したからといつて、原判決には所論のように虚無の証拠によつて断罪し

た違法ありとはいえない。論旨は理由がない。

同第二点について。

原判決は所論の検察事務官聴取書中の被告人の供述記載の他に、被告人の原審公

廷における供述、第一審第三回公判調書中の被告人の供述記載、第一審第三回、同

第四回各公判調書中の相被告人Aの各供述記載、原審証人Bに対する受命判事の尋

問調書中の供述記載を証拠として判示事実を認定しているものであることは原判文

上明らかなところであるから、原判決が所論の検察事務官聴取書中の被告人の供述

を唯一の証拠として被告人を処断したことを前提として原判決を違法なりとする論

旨はその前提たる事実を欠きとるをえない。されば、原判決には所論の違法はなく、

論旨は結局原判決の裁量に属する証拠の取捨乃至事実認定を非難するに帰し、上告

適法の理由とならぬ。

よつて旧刑訴四四六条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 渡部善信関与

昭和二六年七月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

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裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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