大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)634 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松本幸正の上告趣意について。

憲法三七条三項は裁判所に対して被告人に弁護人を選任する権利あることを告知

すべき義務を負担せしめる趣旨とか、総ての被告事件について必ず弁護人を附せな

ければならぬとする趣旨とかの規定ではなく、またいかなる被告事件を所謂必要的

弁護事件とすべきかは専ら刑訴法その他の立法に委せる趣旨の規定であることは当

裁判所昭和二四年(れ)二三八号同年一一月三〇日大法廷判決(判例集三巻一一号

一、八五七頁)、同年(れ)六〇四号同二五年二月一日大法廷判決(判例集四巻二

号一〇二頁)のそれぞれ判示するところであるから、旧刑訴三三四条の規定に定あ

る必要的弁護事件にあたらない本件の審理にあたり原審は弁護人を選任するか否か

を被告人に告知することなく、かつ弁護人を附せずして審理をしたからといつて、

原判決を目して右憲法の規定に違反すとなす論旨はとるをえない。又憲法三七条一

項にいわゆる公平な裁判所の裁判とは偏頗の虞のない組織構成の裁判所の裁判を指

すのであつて被告人側から見て科刑が不公平と思われる裁判であるからといつて同

条に違反するものといえないことは当裁判所屡次の判決に示すとおりである。され

ば科刑が共同被告人に比して重きに失すると被告人が思われるからとの一事をもつ

て、原判決を以て右憲法の規定に違反するとなす論旨もまたとるをえない。その他

の論旨は原判決の事実認定と刑の量定を非難するに帰し、論旨はすべて刑訴四〇五

条に定める上告の理由に当らないし、記録を精査するも同四一一条を適用すべきも

のとも認められない。よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い裁判官全員

の一致で主文のとおり判決する。

昭和二六年八月九日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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