大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)845 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐々木茂の上告趣意第一点について。

しかし、本件では昭和二四年法律四三号による改正前の酒税法六〇条一項、一四

条によつて処断したものであつて、所論六〇条二項の規定によつたものではないか

ら、同条項が違憲であるとの本論旨は本件では判決に影響を及ぼさないこと明白で

あつて採用できない。しかのみならず、所論条項はその違反数量の大きいもの、従

つて、経済的能力の高い者に対し所論のごとく却つて刑罰を軽くしてはいないので

あり、寧ろその反対であるから、所論はその前提において刑訴四〇五条所定の上告

理由とならないばかりでなく、同条項は何人に対しても犯情により等しく刑罰を重

くしているのであつて、何等貧富によつて差別待遇をしてはいないのである。所論

は、それ故に採ることができない。

同第二点について。

所論は、刑訴四〇五条の上告理由に当らないし、また、仮りに所論のごとく濁酒

にならない中に税務署員に発見され、従つて、その発覚当時(昭和二三年一一月一

七日)濁酒製造の未遂であつたとしても、本件起訴当時(昭和二三年一二月二三日)、

までには、時の経過により自然に濁酒となり、従つて、判示仕込み行為の当然の結

果として既遂の段階に達していたこと明白であるから(なお記録五〇丁の次に添附

されている昭和二三年一二月二二日附押収濁酒八斗六升買受受取書参照)、結局原

判決には所論の違法も認められない。

同第三点、第四点について。

所論第三点は審理不尽の主張であり、所論第四点は量刑不当の主張に帰するから、

いずれも刑訴四〇五条所定の上告適法の理由に当らない。

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よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で主

文のとおり判決する。

昭和二六年九月六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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