大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(オ)367 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

第一点について。

所論は本件土地について、自創法第二条第二項にいわゆる耕作の業務を営む者は

訴外Dではなく、上告人本人でありDは、その家族の一員に過ぎない。従て上告人

とDとの間には使用貸借の関係は生じ得ない。されば本件土地は上告人の自作地で

ありDの小作地ではないとの趣旨に帰する。しかしながら原判決の挙示する証拠に

よれば、判示のように、所論と反対の事実を認め得ないわけではないから所論は結

局原審の裁量に属する事実認定の非難でしかない。

第二点について。

原判決はその挙示する証拠により当時上告人の住所は東京都にあつて所論本籍地

にはなく上告人が在京するのは病気治療のためでもなくまた修学のためでもないも

のと認定したのであつて右証拠によれば右認定はこれを是認できる。所論は憲法違

反を云うが結局原審がその専権に属する証拠の取捨、選択によつてなした右事実の

認定を非難するに過ぎない。

第三点について。

所論は憲法違反を云うが、結局本件買収が自創法の精神に反するというに帰する。

しかし原判示の通りDが本件土地の耕作者であり上告人が不在地主である以上は本

件買収は正に同法の精神に合致し当然の措置とさるべきである。

以上のとおりであつて論旨はすべて、「最高裁判所における民事上告事件の審判

の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号ないし三号のいず

れにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」もの

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と認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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