大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(オ)459 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士高木定義の上告理由第一点について。

しかしながら、原判決はその判文の示すとおり、その挙示の証拠及びこれに基い

て認定した判示事実により、上告人が本件運送を委託した当時の鉄道輸送の状況は、

本件物件滅失の経過を覚知し難い程の有様であつたと判断した上、上告人の全立証

によるもその滅失が被上告人らの係員の悪意又は重過失に基ずくものなることを認

め難いと判示したものであつて、本件証拠資料に徴すればしかく断じ得ないもので

もない。所論は鉄道運送業者の運送上の注意義務に関する独自の見解を展開して被

上告人らに悪意又は重過失の責ある旨主張するものであつて、畢竟原審の裁量に属

する証拠の取捨選択、及びこれに基く事実認定の専権行使を非難するに帰し、上告

適法の理由とするに足りない。

第二点について。

本件事故発生当時手荷物扱制度が廃止され、託送荷物はすべて小荷物扱貨物とし

て取扱われており、従つて、荷物の滅失毀損の場合は、貨物運送規則五二条の二に

よつて、悪意又は重過失ある場合の外、鉄道側は一個につき最高五〇〇円の賠償義

務あることは所論のとおりである。しかし、右規則は本件のような高価品を除外し

ているから、本件の場合は結局鉄道運輸規程七三条二号に則るべきであり、同条に

よれば高価品の賠償額は一瓩につき二円と定められているから、本件二〇瓩の荷物

に対しての賠償額は高々四〇円を超え得ない筋合にあるのである。所論は右各条文

の意味を正解せず、これに対する独自の見解に立脚して原判決を攻撃するもので採

るを得ない。

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第三点について。

論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律(昭和二五

年五月四日法律一三八号)一号ないし三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆ

る「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものとも認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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