大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(オ)476 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であり、民事上告審判の特

例法に定める事項に該当しない。

同第二点、原判決の認定事実によれば、上告人は訴外Dから同人の死亡によつて

効力を生ずべき死因贈与契約により、同人の死亡と同時に本件家屋及び宅地の所有

権を取得したが、その登記を経ていないが、一方被上告人はDの家督相続人である

Eから本件家屋及び土地の登記を経たというのである。かかる事実関係においては、

民法一七七条の適用については、被上告人は同条の第三者に該当するが故に、上告

人は所有権の取得を被上告人に対抗することを得ないが、被上告人は所有権の取得

を上告人に対抗することを得るものというべきである(昭和一三年九月二八日大審

院判決、同判例集一七巻一八七九頁参照)、なお、上告人が原審において所論のよ

うに、「被上告人は上告人の贈与を受け登記をしていないことを知悉し乍ら、父E

から贈与を受けたものであり、上告人の登記のないことを主張することは、甚だし

く信義に反するから、登記の欠缺を主張することはできない」旨を主張したと認め

るに足る事跡は、記録にあらわれていない。それ故、原審には違法はなく、所論は

採ることを得ない。

同第三点、記録を調べてみても、上告人は原審において所論のごとき取得時効の

完成を主張しこれを援用した事跡はない。法律審においてかような新たな主張をす

ることは許されない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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