大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)1425 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人高橋義一郎の上告趣意第一点について。

所論は、判例違反をいうが、所論判例は、所持の罪数、確定判決後の所持等に関

する判例で、本件には適切でなく、所論は、結局本件起訴の対象となつていない所

持の状態、従つて、原一、二審判決の認定に副わない所持の状態を前提とする法令

違反の主張に帰し、刑訴四〇五条二号の上告理由に当らない。

同第二点、第三点について。

同第二点は、原判決の仮定論に対する非難であり、従つて、原判決に影響を及ぼ

さない単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そし

て、所持罪はいわゆる継続犯であるからその不法所持が新旧両法に跨つて継続する

ときは、新法のみが適用されるのが当然であり、原判決には所論の違法は認められ

ない。(所論引用の判例は、旧法当時のみにおける所持罪に関するもので本件に適

切でない。)同第三点は、量刑の非難で、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。ま

た記録を調べても、同四一一条を適用すべきものとは認められない。

被告人Bの弁護人箕山保男の上告趣意について。

論旨第一点は、違憲をいうが、仮りに所論の送致手続又は手続書が違法であると

しても、第一審公判廷における所論供述が強制拷問若しくは脅迫による自白といえ

ないこと多言を要しないから、違憲論はその前提を欠くものであり、同第二点は、

単なる法令違反の主張であり、同第三点は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張を

出でないものであり、同第四点は、量刑の非難で、いずれも、刑訴四〇五条の上告

理由に当らない。また、記録を調べても、同四一一条を適用すべきものとは認めら

れない。

- 1 -

よつて、同四一四条、三八六条一項三号に従い、裁判官全員一致で、主文のとお

り決定する。

昭和二九年二月二五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!