大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)1478 判決

主 文

原判決及び一審判決中被告人Aに対する判示第三の九〇に関する部分を

破棄する。

同被告人のその余の部分に対する上告は之を棄却する。

理 由

弁護人桑原新太郎の上告趣意は憲法二九条違反をいうが、その実質は単なる訴訟

法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。しかし職権をもつて調

査すると、原判決の肯認した第一審判決は被告人Aを判示第三の九〇の事実につい

て罰金二千円に処し右罰金不完納の場合は金二百円を一日に換算した期間同被告人

を労役場に留置する旨の主文を言渡しているが、その理由についてこれをみると、

第一審判決が犯罪事実として摘示した別紙一覧表其の二には主文記載の判示第三の

八〇乃至八九までは犯罪事実が記載されているが、同九〇については単に犯罪事実

番号の記載があるだけで、何ら犯罪事実が記載されていないことは所論のとおりで

ある。そして、起訴状記載の各犯罪事実並びに記録に徴すると、判示第三の九〇の

事実については審判の請求のなかつたことは明らかである。しからば原判決の肯認

した第一審判決は審判の請求を受けない事件について判決した違法があり右の違法

は刑訴四一一条一号に該当するものというべく、原判決及び第一審判決中判示第三

の九〇に関する部分はこれを破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。

よつて同部分を破棄しその余の部分は、右部分と可分な独立した裁判であつて、

これについては同条各号の事由は認められないから、これに対する上告は同四一四

条、三九六条により之を棄却することとし全裁判官一致の意見で主文のとおり判決

する。

検察官 佐藤欽一出席

昭和二八年八月二七日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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