大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)218 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人山崎佐の上告趣意第一点及び第三点は単なる法令違反の主張であり、同第

二点は量刑不当の主張を出でないものであり、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。(食糧管理法施行規則二九条で農林大臣が主要食糧の輸送の委託若しく

は受託を禁止したのは同法九条一項、同法施行令一一条に基ずき主要食糧の公正且

適正な配給を確保し食糧管理法の目的を遂行するための必要に出たものである。さ

れば右規則二九条にいわゆる主要食糧の輸送とは取引の通念に従い主要食糧の所在

を移動するを目される所為を指称するものであり、もとより一家内において「物置

から台所に運ぶ」が如き所為を含まないこと勿論であるが、かつて各府県知事がそ

の所管地域内の物資を確保するためその府県外への物資の移出を統制禁止した場合

とは趣を異にし、所論のごとく「他の都道府県に移出」するのでなければ、こゝい

わゆる輸送に該当しないということはできない。原審の確定した事実は論旨摘録の

とおりであり、この事実によれば、被告人の所為が右規則二九条の主要食糧の輸送

に該当すること勿論であり、原判決には所論のような違法はない。また食糧管理法

九条はその制定当初にあつては、所論のとおり数項の規定ではなかつたのであるが、

爾後の改正により本件犯行当時においては数項の規定となり、本件に対してはその

第一項が適用せらるべきものなのである。されば原判決には所論のような違法はな

い。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二七年一〇月三〇日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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