大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)2879 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人杉原尚五の上告趣意は、原審は被告人の弁護権を不当に制限したのは違憲

であると主張するが、原審においては控訴趣意書提出最終日を昭和二七年一月十日

と定め、被告人選任の弁護人仁礼愛之及び被告人にこれを通知した。しかるに被告

本人からは控訴趣意書の提出があつたが、右弁護人からはその提出がなかつた。

その後二月五日右弁護人は辞任届を提出したものである。この辞任と同時に後任

弁護人を選任したとしても同弁護人は最早控訴趣意書を提出することは許されない

し、公判期日に選任された国選弁護人福源文夫は被告人提出の控訴趣意書に基き弁

論をしているのである。それ故弁護権不当制限の事実は存在しないから違憲の主張

は前提を欠く。また被告人の上告趣意は事実誤認、量刑不当の主張である。論旨は

すべて上告適法の理由に当らない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべき

ものとは認められない。

よつて同四〇八条一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年一一月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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