大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)4738 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人花房多喜雄の上告趣意は所論賍物故買の罪を、殊に所論知情の点を被告人

の自白だけで認定した第一審判決を是認した原判決には、憲法第三八条三項及び刑

訴三一九条二項の違反があるというけれど、第一審判決が所論の認定をなしたのは、

被告人の自白(昭和二六年一二月一五日附検察官作成に係る被告人に対する供述調

書の記載)だけによつたものではなく、同判決挙示の同証拠、就中証人A、B、及

びCの各供述により認め得る諸般の情況等を綜合した結果によるものであること判

文上明白であり、しかもこの認定はその証拠の内容に照らし肯認し得るのであるか

ら、所論はその前提を欠くものであり刑訴四〇五条の上告理由に当らないまた記録

を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条三八六条一項三号により主文のとおり決定する。

この決定は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二八年一月八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!